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『獰猛犬~DO-MO-KEN~』神威杏次

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『獰猛犬~DO-MO-KEN~』(どうもうけん)は、神威杏次の原作・脚本・演出、等による舞台劇。2004年に下北沢・東演パラータにて上演(脚本・演出 神威杏次)され10年後の2014年に、同じく東演パラータにて『獰猛犬~DO-MO-KEN~2014』(脚本・監修:神威杏次 演出:髙坂雄貴)として再演された。

 オリジナルのテーマ曲は、2004年には音響オペレートも担当した高杉大地の「THEME OF DO-MO-KEN」を2014年再演時にも使用。

・あらすじ

 どこかの場所、島にポツンと佇むBAR。
24時間しか記憶がもたない若者・翔太は、岬の崖で自殺志願の男ふたりに出会う。ひとりは国語教師、もうひとりは青年実業家。偶然同じ場所で死のうとした二人はどちらが先に崖から飛び降りるかで喧嘩をはじめ、仲裁に入った翔太と共にBARになだれこんできた。

 そこには、BARのマスターと、その娘らしき従業員のメグミ。大部屋俳優・銀ちゃん、遊び人風の男女ケンジとリョウコ。数人の人間が昨夜からの雨で足止めを食っていた。さらに、料金未払いで逃げられた銀ちゃんを追いかけてきた風俗嬢のジュン、雨漏りの工事に来た工事人チャーリー…らが、次々と店にやってくる。
 そんな中、時折顔を出す若い女・香織の存在は、どうやら翔太とメグミにしか見えないようだ。不思議に思い記憶をたどる翔太と、なにかを知っている様子のメグミ。

 雨は勢いを増し、ついに嵐となる。監禁状態となるBAR.

やがて、ラジオのニュースから、この土地に銀行強盗カップルが逃げてきているという情報を聞いた彼らは、ケンジとリョウコを疑う。銀ちゃんに激しく詰め寄られた二人は「そうだ、俺たちが強盗だ、文句ある?」と開き直り、銃で周囲を威嚇する。

 急速に不穏な空気が流れ出す。

 夜、銀ちゃんがなぜかマスターの命を狙った。他の面々に取り押さえれイスに縛り付けられる銀ちゃん。ケンジたちはなぜかBARの二階にある倉庫を気にしている。やがてラジオから銀行強盗が捕まったというニュースが流れ、彼らの素性は謎となった。
 食料も底をつき飲み水も危うい。監禁三日目の夜、正義漢に燃えた国語教師がリョウコに食ってかかり銃で足を撃たれる。それを合図に激しい罵りあいが始まる。

 彼らがここに集まったのは偶然ではなかった。それぞれに秘めたる動機があり、必然的にここに来ていたことがわかる。銀行強盗も、青年実業家も、国語教師も、風俗嬢も、雨漏り工事人も…ここまでに聞いていた肩書きはすべて嘘。ほぼ全員に、別の肩書きと目的があった。

 失うものを失くした彼らの争いは激しさを増して…。

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 ※同時に進行するもうひとつの物語。

(2004年版)
  
 私立探偵の大崎は、秘書の菜摘と共にしがない探偵事務所を運営していた。そこに翔太が現れ「自分探し」を依頼する。24時間しか記憶を持たない翔太は過去をすべて忘れてしまっていた。
 調査を進める大崎は、路地裏で男たちに殴りかかられる。危険な匂いを察しながらも、翔太に香織という妻がいることを知り、なんとか探し出そうとする。
 しかし、香織は数日前に手首を切って自殺していた。部屋は香織の血で真っ赤に染まっていたといい、翔太はその光景を目のあたりにしたショックで記憶障害になってしまっていた。

 (2014年版)

 チンピラ・翔太は、組には属さずフリーの極道としてシノギをこなす大崎の舎弟だった。翔太は元プロボクサーだったが、試合で、記憶に軽い障害を持ってしまい引退を余儀なくされた過去があった。高校ボクシング部からの親友・哲平も同じくボクシングを諦め、今はヤクザな世界に生きていた。
 ある日、組長に呼び出された大崎は、ライバル組織である組長の暗殺をいいつけられる。うまくいけば大崎を幹部で迎え入れるという条件だった。しかし、実は大崎は組にうまく利用されるだけの鉄砲玉でしかなく、騙された二人は、両方の組員たちからすでに追われる身になっていた。街を逃げる大崎と翔太の前に現れたのは、銃をかまえた哲平だった。哲平もまた、相手の鉄砲玉だった。
 なんとか大崎を守りたい翔太は、哲平の持つ銃を叩き落とし、ボクシングスタイルをとる。それを嫌がる哲平だったが、やがて拳をかまえる。
 いつしかプロのリングで戦う日を夢見てきた二人の想いは、薄汚い路地裏に散ろうとしていた…。


 二つの物語はやがてシンクロして…。

 

・パンフ記載あらすじ

◆2004年版パンフレットより

 過去24時間の記憶しか持たない男、翔太。彼が今夜たどりついたのはとあるバー。嵐のため監禁状態となった店内には、偶然ここに集まった九匹の獰猛犬。食料も底をつき飲み水も危うい、監禁3日目の危険な夜。常識は雨に流され理性の化けの皮は剥がされた。罵詈雑言が飛び交い、欲望が高笑いを始める。銃声が響く!払い腰が見事に決まる!終わりなき夜が明ける頃、翔太は一体どんな過去に巡り合うのか。

◆2014年版パンフレットより

 嵐のため監禁状態となった孤島のBAR。偶然集まった11人。食料も底をつき飲み水も危うい。監禁3日目の危険な夜。常識は雨に流され理性の化けの皮は剝がされた。罵詈雑言が飛び交い、欲望が高笑いを始める。そして、遂に銃声が雨音に吸い込まれた。

 薄れゆく記憶をたぐりよせながら、終わりなき夜に翻弄されていく翔太。すべての偶然が必然に変わる時、彼らはどんな真実にめぐりあうのか。

  

2004年版・2014年版、設定とラストシーンの違い

 初演はいわゆる「夢オチ」。チンピラ・翔太は、自殺した彼女・香織の後を追い死のうとするが未遂に終わり病院のベッドで昏睡状態にあった。本編は翔太の見る夢であり、夢の中にでてきた香織に救われ命を取り留める。病院のベッドで目を覚ました翔太は、香織にそっくりな看護婦に励まされ、まっとうに生きる決意をするが、彼女との初デートに向かう途中、昔の仲間に刺され路上に倒れる。意識が遠のく中、空に向かって雄たけびをあげる翔太の姿で幕。

 密室での不条理劇からハードボイルド・タッチに転換するバッドエンド。

 

 再演では、神威が大幅なリライトを行った。メインのBARの設定や展開は同じだが、サイド・ストーリーである街の物語が大きく改訂された。嵐の中のBARは夢ではなく現実世界になり、同時進行する街の物語とBARに「それぞれの世界で生きる二人の翔太が存在する」設定となる。演出の髙坂氏の意向もあり、エピローグは初演とはうってかわってハッピーエンドに。

2004年初演キャスト&スタッフ

日時:2004年3月10日~14日

場所:下北沢 東演パラータ

Chiep Star Players vol.2」

 

脚本・演出:神威杏次

出演:渡部芳洋 小林一三 藤井勘太

   矢嶋正明 石野伸一 重井貢治

   松山美雪 久保木彩 渡辺久恵

   吉田朋枝 神威杏次

声の出演:宮沢彰

 舞台美術:花房徹 舞台監督:藤井寿

音楽:高杉大地 

 「THEME OF DO-MO-KEN」他

照明:関健一 青柳美香

前説 風呂わく三

企画制作 CSP

プロデュース:渡部芳洋

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 ▼獰猛犬dvd(非売品)オープニングムービー


獰猛犬

2014年再演キャスト&スタッフ

日時:2014年12月4日~8日

場所:下北沢 東演パラータ

「ICHIGEN 第1回プロデュース公演」

 

作・監修: 神威杏次
演出: 髙坂雄貴

出演:鈴木アルマルベス僚  児玉祐季乃

    木下あきつ 小野寺博 下條高裕

    江本和広 藤崎奈央 山梨谷梨

   上西哲平 竹田直央 石井一輝

   德永空 環みほ 荒山昌子

   重井貢治 植原みゆき(声の出演)

舞台監督・美術:はじり孝奈

舞台監督補佐:山本愛

音響:鈴木雅也・桜さとみ  照明:前川裕幸

音楽:高杉大地 

  「THEME OF DO-MO-KEN」

宣伝美術:松原理香

企画制作:ICHIGEN

プロデュース:志乃宮風子・重井貢治

 

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